「うつ病や幻覚のある人と話すのは難しいな」
「いきなり患者さんが暴れて怖い」
「スキルアップにならないな」
精神科についてわからない人は上記のようなイメージがあると思います。
私も精神科で働くまえは、同じことを考えていましたが、実際に働いてみると想像と違い、精神科特有のやりがいや楽しさがありました。
この章では、精神科歴5年の私が精神科の仕事内容や特徴を簡単に紹介したいと思います。
精神科に興味がある、働いてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
精神科看護師の仕事内容
精神科の仕事内容は大きく分けて3つあります。
- 患者の全身状態の判断、評価
- 日常生活援助
- コミュニケーションを用いた精神的ケア
精神科に入院される患者さんは、主に「統合失調症」「鬱病」「双極性障害」「依存症」「パーソナル障がい」「認知症」がほとんどです。
精神的疾患は、ほとんどが完治することが難しく一生付き合っていかなければなりません。
退院しても再発して再入院する人もたくさん存在します。
そのため、患者さんがその病気と上手く向き合い、その人らしい生活ができるように支援するのが医師や看護師の仕事です。
では、どんな仕事をするのか具体的に説明します。
患者の全身状態の判断や評価
患者の全身状態の判断や評価は、どこの病棟でも大切な役割です。
しかし、精神科はその判断や評価が難しいです。
一般病棟では、傷が治っているのは目でみればだいたいわかります。
しかし、精神状態は目に見えることができないため、判断や評価が難しいときがあります。
また、患者さんは、自分から苦痛や症状を訴えることが難しい傾向があります。
つまり、日ごろからその患者さんの表情や言動、行動を把握し、いつもとは違う違和感を察することが大切なのです。患者さんの、小さな変化に気づけることが大事なのです。
つまり日ごろの関わりやコミュニケーションがとても重要なのです。
日常生活援助
患者のなかには、重度の鬱病などにより、食事やトイレなどの日常生活を送ることが困難になります。
そのため、食事介助やオムツ交換などの日常生活援助をしていく必要があります。
また、食事がとれない場合は、点滴や経管栄養などの処置も必要になります。
時には、興奮して暴れたりする患者もいます。
その時は、向精神薬を与薬したり重度の時は注射をしたりします。
意外と看護師としての処置は多いと思います。
コミュニケーションを用いた心のケア
精神科看護師として、1番必要とされるのはコミュニケーションです。
一般病棟との一番の違いはそこにあります。
コミュニケーションを図り、患者さんの不安や負担を軽減していく必要があるのです。
拒薬の患者さんがいる場合は、患者さんの話を聞くだけではありません。
患者さんが何故飲みたくないのか、その背景や原因を知る必要があります。
そして、その薬の効果などを根治強く説明する必要があります。
特にアルコールやギャンブル依存症の患者さんは考え方を修正する必要もあります。
アルコール依存症の患者さんの場合は
「俺が酒を飲んだのは仕事が辛いからだ」「誰も俺の事をわかってくれないから飲んだ」「俺ならすぐにやめられる」と
自分の事を正当化して、お酒を飲んでしまいます。
これは病気なので仕方がないのです。
そのため、看護者は
「どういうときにお酒を飲んでしまうのか」
「お酒を飲んでしまう原因とは」
「お酒を飲まないようにするための対策」
などを一緒に患者さんと考えていくこともあります。
また、これも人によって異なるのでその人に合った方法を考える必要があります。
常にその患者さんにあったコミュニケーションをしていく必要があります。
精神看護師のメリット
業務負担が少ないことです。
病院によって異なりますが、比較的他の科と比べると残業は少ないと思います。
患者さんの急変も少なく、一般化のような重症な患者もいません。
また、処置などの業務もないため、身体、精神的には負担は少ない方だと思います。
体力に自信がない人や育児と仕事の両立をしている人は、働きやすいと思います!
また、男性看護師が多いことや、業務負担が少ないことから他の科と比べると
皆さん、心に余裕があり人間関係は良好だと思います。
精神科のデメリット
新しい知識や技術を学ぶことが少ない。
「1年目は精神科はやめた方がいい」
これは先輩看護師に言われた言葉です。
つまり、1年目はいろいろな経験ができる環境で働いた方がいいことです。
例えば、脳外科でしか働いたことがない看護師が精神科に異動になっても知識や技術で困ることは少ないでしょう。
しかし、精神科でしか働いたことがない看護師が脳外科にいくのは、知識や技術で苦労すると思います。
これは、精神科が楽と行っているわけではありません。
精神科にも、上記に述べたような特有の大変さや難しさがあります。
しかし、実際に、何年も精神科で働いていた方が
他の科に異動になったときは、「わからないことだらけ」「忙しすぎる」といった理由から辞めている人も何人かいました。
全員とは言えません。
精神科から循環器やオペ室に異動になって今もバリバリ働いている人もいます。
近年では、高齢社会もあり、精神疾患だけではなくいろいろな疾患を抱えています。
そのため、しっかり勉強すればある程度の知識は身につくと思います。
心電図モニターをつけたり、酸素投与している患者さんも少なからずいます。
しかし、やはり他の科と比べると、あまり経験ができないことが現状です。
いろいろな経験がしたいという方は精神科はやめることをおすすめします。
おわりに
今回は「精神科看護師の仕事内容、メリット、デメリットを徹底解説!! 」について紹介しました。
精神科で働きたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
以下の記事では、「一年目で精神科はやめた方がいい!!その理由を徹底解説」について書いています。興味がある方はぜひ読んでください。
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